漢方での冷え性に対しての治療や食養生では、冷えの原因や体質に分けて考えます。良くある体質としては、主に血虚・陽虚・気滞の3つがあります。
血虚
一番よくあるタイプとしては、血虚と言って、体をあたためる血液の全体量が不足しているために、体の末端(手足)に血液が十分に行き渡らなくて冷えてしまいます。暖かい時期は冷えが気にならないけど、寒い時期になると手先や足先など末端が冷えて困るというタイプがこの体質です。
血虚の方は、もともと全身に血液がいきわたりにくいのですが、寒さなど環境の影響によって血液の流れがよけいに悪くなり、体を温める血液が手足にいきわたらなくなり、冷えてしまいます。
おすすめの食材は、体をあたため血を補う作用のあるナツメやキクラゲ、ニンジン、ほうれん草、黒ゴマ、黒砂糖などがあります。
漢方薬では血液を補う作用のある婦宝当帰膠や四物湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯などの処方があります。
陽虚
次によくあるタイプとしては、陽虚と言って、体をあたためるエネルギー(陽気)が不足しているために冷えるタイプです。夏でも冷えが気になる方や、手足だけではなく体全体が冷えていたりします。
おすすめの食材は、にら、くるみ、羊肉、鹿肉、えび、山芋、乾燥したショウガなどがあります。
漢方薬としては、体の陽気を強化する働きのある参茸補血丸や海馬補腎丸、八味地黄丸などがあります。
気滞
もう一つのタイプが気滞証です。ストレスやその他の原因で気の流れが滞っているために、体をあためる陽気もスムーズに流れないために冷えるタイプです。
手足の冷えなどとともに、お腹が張ったりイライラしやすかったりします。
おすすめの食材は、みかんや、香味野菜、そば、にんにくなどがあります。
漢方薬としては、四逆散や加味逍遥散などがあります。
上記を参考に、寒い冬を暖かくお過ごしくださいね。
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