腎臓と漢方

慢性糸球体腎炎と漢方

慢性糸球体腎炎とは、慢性に経過する腎炎で、Iga腎症や微小変化型、膜性腎炎、膜性増殖性腎炎、巣状糸球体硬化症などいろいろなタイプの腎炎が含まれます。

症状としては、急激にひどい浮腫がでるものや、少しずつ浮腫がでてくるもの、血尿がでるものなどがあります。経過中にネフローゼ症候群を併発する場合もあります。

治療としては、安静にすることと、高血圧や浮腫がある場合は食塩制限をします。
BUN上昇のある場合は蛋白制限をします。

薬物療法としては、ネフローゼ症候群を伴う場合はステロイドを使いますが、それ以外は有効な薬物はありません。高血圧がある場合は、腎機能低下を促進しますので、降圧剤で血圧をコントロールします。

漢方での慢性糸球体腎炎の治療としては、その方の体質や症状、全身状態などを考慮して行います。

オ血があれば血液の流れを良くする漢方薬(冠元顆粒、桂枝茯苓丸、通導散など)を使います。

浮腫傾向があれば、水分代謝を良くする漢方薬(柴苓湯、五苓散など)を使います。

血尿があれば、それに対する漢方薬(四物湯合猪苓湯、帰脾湯、田七人参など)を使います。