季節の漢方

春の自律神経の乱れと漢方

春は、冬から少しずつ暖かくなっていき、暑い夏へと変化していく時期です。
自然界の植物や動物なども、暖かくなるにしたがって『静』から『動』へと変化していきます。

人間の体も大自然の変化に合わせて変化していくのですが、体のバランスが崩れていると、その切り変えがうまく行かずに、自律神経が乱れて体調が崩れてしまうことがあります。
また、春は入学や転勤などの環境の変化などもあり、よけいに自律神経が乱れやすい時期です。

自律神経が乱れることによっておこる症状としては、めまいや不眠、傾眠、動悸、息苦しさ、吐き気、下痢・便秘、頭痛、手足のふるえ・・・などがあります。

予防としては、睡眠と食事をしっかり摂ることが大切です。
オススメの食材としては、せり、セロリ、三つ葉、パセリ、春菊などの香味野菜や柑橘類などの気のめぐりを良くする作用のあるものや、しじみやレバー、クコの実、菊花などの『肝』を強める作用のあるものを摂ると良いでしょう。

自律神経が乱れを改善する漢方薬としては、その方の体質や症状に合わせて、肝の機能を補ったり、気の巡りを良くするものを服用します。

一般的な例としては、加味逍遥散や抑肝散、四逆散、半夏厚朴湯、香蘇散・・・などがあります。