過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群(IBS)とは、腸がちょっとした少しの刺激においても敏感になっている病態で、下痢や便秘のような便通の不具合をおこす疾病です。
医療機関で検査をしても、腸には何ら不具合も発見されません。
ほんの少しのストレスや、食べ物を多く取り過ぎたり早く食べ過ぎたり等の少しの刺激でも異変が現れます。
過敏性腸症候群の症状
過敏性腸症候群は、病態によって不安定型、慢性下痢型、分泌型の大きく3つに分類しています。
・不安定型は、お腹の痛みや不快な感じがして、下痢と便秘が交互にしばしば繰り返して現れます。
・慢性下痢型は、ほんの少しのストレスや心配があると便意を感じて、ひどい下痢があらわれます。
・分泌型は、強いお腹の痛みの症状が現れ、その後にたくさんの粘液がでてきます。
過敏性腸症候群の漢方の考え方
漢方では、もともと脾(消化器系)の弱い方が何らかの原因で体のバランスが崩れて症状が出ると考えます。
■良くある例としては、
ストレス等で肝気の流れが悪くなり、それが脾気に影響を及ぼしている場合があります。
その時は、肝気の流れを良くしたり、脾を強める漢方薬を使います。
一般的な漢方薬としては、四逆散・加味逍遥散・桂枝加芍薬湯・小建中湯・参苓白朮散・啓脾湯・六君子湯があります。
■また、体を温める力(陽気)が弱ることによって冷えが生じて、その冷えが脾に影響して症状が出る場合があります。
その場合はお腹を温めながら脾を強める漢方薬を使います。
よく使う漢方としては、人参湯・桂枝人参湯・附子理中湯があります。