不妊症に対して漢方薬ができること
漢方での不妊症への取り組みは、妊娠しやすい体づくりが目標です。
”妊娠しやすい体づくりが目標・・・”なんて、一見遠回りのような感じがするかもしれません。
ですが、漢方薬で体のバランスを整えて、妊娠力を充分に発揮できるようにしてあげることは、不妊の悩みの改善にとっては一番の近道だと思っています。
具体的には、卵巣機能や卵子の質、子宮内膜、ホルモンの状態を整えたり、人に言えないさまざまなストレスが原因でホルモンバランスが乱れてしまっている場合には、それらの対策もしていきながら、妊娠しやすい体に導いていきます。
実際に、病院の不妊治療でうまくいかなかった方でも、漢方で妊娠力を高めることによって、子宝に恵まれた方が大勢いらっしゃいます。
(※もちろん、病院の不妊治療との併用の方も・・・)
漢方でのご妊娠例
この方(42歳)は、5年ほど前からご妊娠を希望していて、すぐに病院での不妊治療を開始しました。
病院の検査ではご本人、ご主人ともに特に異常は無かったのですが、年齢を考慮してはじめから人工授精をすすめられ、半年ほど治療を行いました。
ですが、うまくいかなかったのでその後ステップアップで体外受精をすすめられ治療を始めました。
体外受精を何回か行い、その中で2回ほど着床までいったそうなのですが、すぐに流産してしまい、育たなかったとのことでした。最近は、子宮内膜も薄くなっていたり、卵子の排卵もうまくいかなくなっていました。
そのようなときに、当薬局にご相談に来られました。この方の体質は、「気」と「血」が不足していて、「腎」の力もよわっているようでしたので、体質にあった漢方薬の煎じ薬を服用いただきました。
飲み始めて、すぐに体が疲れにくくなってきて、何となく体も暖かくて体調も良く感じたそうです。その後、続けて漢方薬を服用して頂いていたところ、半年ほどしてから病院で再度体外受精を試みた結果、ご妊娠されました。
その他のご妊娠例の一部をご紹介します。
34才 多嚢胞性卵巣で人工授精を数回してもうまくいかずに、体外受精を勧められて拒否。体質改善のためにご相談。
⇒ 漢方服用後、10ヶ月で自然妊娠。
36才 体外受精を3回ほどして、1回着床したけどうまくいかずにご相談
⇒ 病院の治療をしばらく休止して、服用7ヶ月目に再度体外受精を始めて1回目でご妊娠。
38才 二人目を希望してから1年ほどタイミングで妊娠しないためご相談
⇒ ご主人も一緒に漢方薬を服用していただき、3ヶ月ほどで自然妊娠。
33才 生理不順で不正出血もあり、なかなか妊娠しないので体質改善のためにご相談
⇒ 漢方服用後、不正出血がなくなり生理周期も整い、半年ほどで自然妊娠。
妊娠しやすい体質とは
漢方で考える妊娠しやすい体質とは、どんなものなのでしょうか。
それは、※『気』・『血』・『水』のバランスが整い、『腎』の力が充実している状態です。
※『気』とは、体のエネルギー。『血』は血液、『水』は体の水分のこと。
『腎』は、ホルモンの分泌や生殖能力等に関係している臓器のことを言います。
一般的には、女性では
- 卵巣の働きが良くて、卵の発育も良く、排卵もスムーズ。
- お腹が温かく、子宮内膜の状態がふわふわで、受精卵が着床しやすい。
- 低温期と高温期にしっかりとメリハリがあり、その体温差が0.3度~0.5度ある。
- ホルモン(卵胞ホルモンや黄体ホルモンなど)の働きがよく、バランスが取れている。
男性では、
精子の数や質・運動率が良い状態です。
不妊の原因は
不妊の原因としてはは、以下のものがあります。
漢方で考える不妊の原因
不妊の原因として、漢方では以下の体質が関係していると考えています。
- 老化やホルモン系に関係している「腎虚」
- 気や血が不足している 「気血両虚」
- ストレス等に影響している「肝気鬱結」
- 体の水分代謝の悪化による 「痰湿」
- 血液の巡りが悪化している 「淤血」
西洋医学での不妊の原因
西洋医学での不妊の原因としては、女性では以下のものがあります。
- 排卵の問題(卵巣機能低下・多嚢胞性卵巣・高プロラクチン血症など)、
- 卵管に関するもの(細菌感染による卵管癒着など)、
- 着床の問題(子宮内膜症や黄体機能不全など)、
- 頸管障害(頚管粘液不全など)
男性では
- 精子の数や運動率、奇形率、精管のつまりなど
- 男性ホルモンの減少や、ストレスなどによる心理的な影響によるED
などの原因があります。
不妊の漢方相談
◆当店では、初回相談時に、あなたの体質をしっかりと判断するために、一人ひとりじっくりと漢方カウンセリングをしています。
2回目以降も、初回ほど時間はかかりませんが、漢方服用後の経過の確認のために、お時間をいただいております。
◆二人目不妊や、卵子の老化、不育症の漢方もご相談下さい。
◆その方の体質や体調により、生理周期ごとに違う漢方をおすすめする場合もあります。
◆ホルモンの分泌やバランスは、ストレスの影響を受けやすいので、漢方でストレスに強い体作りもしていきます。
◆不妊症の体質改善には、食事や生活習慣もとても大切になってきます。
お食事の取り方や生活習慣などもお伝えさせていただきます。